 |
 |
一粒で二度美味し
JR上諏訪駅前の国道20号線に沿った旧商店街は昭和初期の商店建築様式を色濃く残す看板建築ストリート。商店街の中程に建つ一際立派な建物は国登録有形文化財。
「三村貴金属店＆旧ブライダル染花みむら」。指輪と衣装がセットで商売上手。
向かって左、貴金属店は張り出しの大きな美しいアーチとレンガ風のタイル壁が特徴。アーチと家紋の同心円に沿って組まれたMIMURAのロゴがモダン。ブティック側（現在は入館自由のミニミュージアム）は直線を基調にしたデザインで、モルタル洗い出しの質感もシャープな印象。…ところで三村さんなのに家紋が「三井」なのはなぜ？
小粒な建物ながら隣接二軒でデザインの違いが楽しめて二度美味しい。通り沿いには外にも何件かの看板建築物件があるのだけど…。
商店街の衰退や老朽化で取り壊され、空地や駐車場も目立ち、あちこち歯抜け状態なのが少し寂しい。
それでも隣接する建物が無いおかげで側面がよく見えるのはお得。通りに面した正面だけ、洋風に立派にしつらえた造りが「看板建築」と呼ばれる由縁。
なんか映画のセットみたいで面白い。
ミニミュージアムには昔の商店街の写真や、商家で使われた古い道具などが展示されてる。内装は何度か改装され、建造時の面影は無くちょっと残念。
この時は職員さんが不在で、三村貴金属のご主人がお留守番。往時の様子が聞けて得した気分。
ご主人は以前は大きなオートバイやスポーツカーに乗ってたそうで、ツーリングのこぼれ話も楽しい。「小さいバイクなのにちゃんと手袋してて感心」と褒められて恐縮。
ところで「すわっていいよ」ってのは「座って良い」とかけてるのかな？
せっかくご主人にお話聞けたのに「三井」の家紋の事、聞くの忘れた。…また次の機会に。
地図だと間口が狭く奥に長い、昔の商家の造りがよく解る。
地図上はまだ「ブライダル染花みむら」。
